物理学プログラム Program of Physics
- ホーム
- 物理学プログラム
“物質は何からできているのだろうか?”“光とはなんだろう?”“宇宙を支配する法則はどのようなものだろう?”物理学は、自然に対して誰でもが抱く素朴な疑問から始まりました。私たちは、筋道の立った理論的考察と巧みな実験により、その答えを探し続けています。私たちと一緒に自然の神秘に挑戦してみませんか。21世紀の物理学の新しい扉を開くのは君かもしれない!
カリキュラム
大学では、まず、力学、電磁気学、量子力学、熱・統計力学などの科目で物理学全般の基礎となることがらを学びます。力学や電磁気学は高校でも習いますが、大学では微分や積分などの数学を使い、より体系的にそしてより厳密に勉強します。量子力学は原子・分子や素粒子のようなミクロの世界での物理を考えるのに必要な力学で、大学で初めて勉強する科目です。熱・統計力学では、ミクロの世界の原子などの振る舞いが私たちの住むマクロの世界の物質の性質をどのように支配するのかを学びます。それらの基礎的な学習を経ると、さらに専門的な科目によって、素粒子、原子、分子、ナノ構造の物理学、固体の性質を研究する物理学、電波や光の物理学、宇宙に関する物理学などのようなもっと高度なことが理解できるようになります。 1年次では理学の基礎的な科目を幅広く学びます。2~3年次には進度に応じた学生実験が配置され実験を重視した教育がなされます。また、4年次では全ての学生がいろいろな研究室に分かれて卒業研究を行い、自分で問題を探究し解決できる能力を習得します。 このような物理学の教育とともに、教養科目による教養教育も大学全体がサポートしていて、豊かな教養を身につけるように配慮されています。
分野紹介
磁気・低温研究グループ
私たちのグループでは、自然界に存在する92種類の元素を組み合わせて1000℃以上の高温度で溶解して作成した「新物質」を-273.15℃の絶対零度近くの極低温に冷却して、磁場や電場、さらに圧力や熱に対する反応を観測しています。結果を物質内に莫大な数含まれる電子の量子的ふるまいとして捉え、内部で何が起こっているかを研究します。電子の集団が引き起こす、強い磁力や超伝導といった素晴らしい機能のさらに上をゆく、新しい物理特性を持った「人類の未来に役立つ物質」の発見が私たちの目標です。
ナノ物理研究グループ
私たちの身の回りの物質は原子によって構成され、原子配置あるいは原子間の結合様式の違いによって、様々な興味深い性質が現れます。私たちのグループでは、原子レベルでの構造を解析するとともに物質が示す様々な性質を測定し、物質の微視的構造と物質の性質との関連を調べています。そのために、シンクロトロン放射光を用いて構造解析を行ったり、いろんな条件の下で電気的・光学的性質を測定しています。私たちと一緒に“ナノスペースの世界”を探検しましょう。
理論物理学研究グループ
宇宙創成の謎や現在の宇宙で観測される天体現象の機構の解明に迫るための理論的研究を行っています。 宇宙から消えた反物質の謎、暗黒物質の存在とその正体、初期宇宙が指数関数的に膨張したインフレーション、ニュートリノ質量の起源、発見されたヒッグス粒子の性質などが主な研究トピックです。
これらの謎について、大型加速器に代表される高エネルギー物理学実験やガンマ線・ニュートリノ、さらには重力波による宇宙観測との照合に基づき、物理学の標準理論に残された謎を解決する新しい物理法則の理論を構築・検証しています。
電波・レーザー研究グループ
私たちのグループでは、マイクロ波から紫外光に至る電磁波を使って、気体の状態の分子をはじめ、狭い空間にとじこめた原子、極低温に冷えた分子など、様々な状況下の原子・分子・イオンと光にまつわる物理現象を研究しています。このような研究を通して、基礎的な物理法則の検証や何万光年も離れた遠くの宇宙に存在する分子を探求する電波天文学に必要なデータの取得をしています。
また、神岡の東大宇宙線研究所のKAGRAプロジェクトに加わって、重力波を検出するための光学装置の製作や開発研究を行い、重力波天文学の進展に寄与しています。
学生メッセージ
TOPICS
大型低温重力波望遠鏡KAGRAとの共同研究
教授 森脇 喜紀
大型低温重力波望遠鏡KAGRAは宇宙からの重力波の検出を目指して岐阜県飛騨市神岡町に建設されています。アインシュタインの一般相対性理論から時空の歪みとして重力の波が存在するであろうことが予言され,その100年後の2015年に米国の2台の重力波望遠鏡により初観測がなされました。
物理学科の学生実験の更新について
准教授 山元 一広
物理学科の学生は、2年後期に物理学実験A、3年に物理学実験BとCの計3つの実習を行っています。前回はBの更新について説明しましたが、今回はCについて解説します。
物理学科の学生実験の更新について
助教 松本 裕司
物理学科の学生は、2年後期に物理学実験A、3年に物理学実験BとCの計3つの実習を行っている。これらの実習を通して学生たちは物理学への理解を深めている。
教員と研究テーマ
ナノマテリアルおよび不規則系物質に関して、X線吸収分光・回折法による構造解析と、光学測定などによる物性測定により、構造と物性の両⾯からの研究を行っています。
極低温領域における強相関電子系の熱電・熱特性の実験的研究を行っています。
星間分子を主にマイクロ波分光法を用いて研究し、そのデータベースも作成しています。
遠⾚外〜近紫外域のコヒーレント光源開発と精密測定・分光法への応⽤, 電磁場 を⽤いて運動制御した原⼦・分⼦・イオンあるいは微粒子の分光学的研究, および, 低温重⼒波望遠鏡 KAGRA の開発(主にレーザーとサファイア鏡)
極低温分子気体を得るための分子の並進運動の制御法の開発と、高分解能なレーザー分光をしています。
素粒子の標準模型を超える新しい理論の構築と解析を現象論的・宇宙論的観点から行っています。
強相関電子系の磁性および超伝導を極低温物性測定により研究しています。
シンクロトロン放射光の分光理論・プログラムの開発と、ナノ物性の研究をしています。
ブラックホール、中性子星、超新星爆発などを研究するために、アインシュタインが予言した重力波をとらえる望遠鏡"KAGRA"の開発を進めています。
Super-Kamiokande検出器を用いて宇宙から飛来する素粒子に関連する実験的・観測的な研究を行っています。
強相関電子系の単結晶育成と育成した結晶の磁気的、電気的性質を調べています。
素粒子諸現象に関して実験データと深く関連した解析により新しい物理を研究しています。