教員と研究テーマ

小林 かおり 教授

分子分光学

星間分子等を主にマイクロ波分光法を用いて研究し、そのデータベースの作成や電波天文学への応用なども実施しています。

マイクロ波分光実験室

 宇宙空間には比較的高密度な星間ガスが存在する星間雲と呼ばれる領域があり、 そこから放射される電磁波にはその星間ガスの放射スペクトルが現れます。 そのスペクトルに含まれる無数の共鳴線のうち、その放射源となる分子の同定がなされていないものが多数存在します。

当研究室ではマイクロ波・ミリ波領域(数GHz~数百GHz)において、そのような星間分子やその候補となるような分子の実験室分光を行い、 星間雲からの放射の共鳴線の同定に役立てています。

研究室のマイクロ波分光計はシュタルク変調型、周波数変調型に加えて国内では本学だけにあるチャープパルス・フーリエ変換型マイクロ波分光計があります。

測定されたデータは、国立天文台野辺山45 m電波望遠鏡による観測や、南米チリにある大型電波望遠鏡ALMAのデータへの応用なども行っています。

研究トピックス

マイクロ波分光周波数データベース
(略称ToyaMA)

 宇宙にある分子の存在はどうやって調べるのか疑問に思ったことはないでしょうか?その一つの手法として宇宙から来る電波(マイクロ波)を調べる方法があります。宇宙にある分子の回転に由来する電波をパラボラアンテナ受信し、どんな周波数の電波が来ているか調べることによって明らかにします。

電波はラジオ、テレビ、携帯電話、電波時計、電子レンジなど身近な存在ですが、見えないので意識することは少ないかもしれません。電子レンジで食べ物を温めることができるのは食べ物が電波のエネルギーを吸収するからです。

分子も同じように電波を吸収しますが、分子ごとに吸収する電波の周波数が違います。ラジオにたとえると、ラジオの受信周波数を変えると別の局が受信できますが、各々のラジオ局がひとつひとつの分子で、分子の吸収する周波数がラジオ周波数にあたります。

従って、実験室で分子の吸収する周波数を予めマイクロ波分光法によって調べて置き、宇宙からどのような周波数の信号が来ているのかを調べることによって、宇宙にどのような分子があって、どのくらいの量あるのかなどを解明することができます。

富山大学には、この分子の特有の周波数を調べる研究の長い歴史があります。測定データを世界の研究者が利用できるようにデータベース(TOYama Microwave Atlas)を構築しています。

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小林 かおり 教授

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電波物理学研究室

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