教員と研究テーマ

山元 一広 准教授

重力波天文学

ブラックホール、中性子星、超新星爆発などを研究するために、アインシュタインが予言した重力波をとらえる望遠鏡"KAGRA"の開発を進めています。

KAGRAアームトンネル

 重力波は1916年にアインシュタインが予言した光速度で伝搬する時空のさざなみです。2015年アメリカのLIGOが初の直接検出を成し遂げました。宇宙を観測する新しい手段、重力波天文学、の始まりです。

 現在検出器を地球上の色々な場所に建設し、より遠くまでかつ、より精度よく重力波を観測する国際観測網の構築が進められています。日本では岐阜県飛騨市神岡町にKAGRAが建設されました。

 KAGRAは”地下”と”低温”という従来にない高感度化に資する特徴を持っています。富山大学はKAGRAに一番近い国立大学であるという利点を生かし、KAGRAの建設、開発、改良に貢献しています。

重力波検出用の鏡の最終準備の様子
KAGRA低温鏡の高性能化

 重力波検出器の鏡は最も重要な部品の一つです。重力波が来たことを鏡が"感じ"それら鏡の間の距離を正確に光で測ることで重力波を検出します。

重力波を"感じやすく"するために鏡は吊るされます(鏡の懸架系)。鏡は重力波以外の影響から孤立していなければなりません。

KAGRAが鏡とその懸架系を冷却するのは外からの影響を減らすためですが、重力波で宇宙の果てまで見通すためにはさらに孤立させる必要があります。より孤立した"静かな"鏡とその懸架系の実現のための研究を進めています。

研究紹介動画

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