教員と研究テーマ

森脇 喜紀 教授

量子エレクトロニクス,レーザー分光学

1. 低温ヘリウム (固体・液体・気体)中での原子分子の分光・微粒子の捕捉実験

 ヘリウムは、物質との相互作用が小さく、電磁波・光に対して広い周波数範囲で透明であるため、原子分子などを閉じ込めその性質を調べるための媒体となる。我々は,ヘリウム中に閉じ込められた原子分子を分光学的に調べることにより、原子分子とヘリウムとの衝突相互作用、ヘリウムが形成する構造、ヘリウムのボース-アインシュタイン凝縮に伴う素励起などの光学的な検出の研究を行っている。

 また,低温ヘリウム中に超伝導微粒子を生成し,磁場を用いて単一微粒子を空間に閉じ込めることができる。このような微粒子を用いて,超伝導微粒子の超伝導転移温度の変化や光学的な物性、ヘリウムの物性等を研究している。

2. 原子・分子・イオンの分光実験

 電磁場を用いて原子・分子・イオンを狭い空間内に捕捉・冷却する手段の研究を行っている。捕捉・冷却された原子分子イオンを用いて、他との相互作用が極めて小さい孤立系、あるいは制御された相互作用を行う系を用意し、レーザーなどの電磁波を用いた精密な遷移周波数の測定や、衝突・反応の詳細を調べている。

3. 大型低温重力波望遠鏡KAGRAに関する研究開発

 大型低温重力波望遠鏡KAGRAは,岐阜県神岡の地下に設置されたマイケルソン干渉計型の重力波検出器である。微弱な重力波信号を検出するために, 様々な技術が開発・応用されている。その中で,光源となるレーザーの性能評価やその強度の安定化の技術開発,重力波信号の校正に必要なレーザーパワー測定に関する研究を行っている。

研究紹介動画

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