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2021年度数学科第1回談話会のお知らせ / 開催日:令和3年11月8日(月)
2021年10月22日
令和3年11月8日(月)に、2021年度数学科第1回談話会を下記のとおり開催いたします。
皆様のご来聴をお待ちしています。
日 時 | 2021年11月8日(月) 16:30~17:30 |
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場 所 | 富山大学理学部 A 棟 4 階 A424室 |
講演者 | 東 大樹 氏 (富山大学 大学院 理工学教育部 数学専攻 修士2年) |
講演題目
Mathieu級数に関する不等式の最良定数
講演概要
1890年に,É.L.Mathieuは次の級数を導入した:
\[S(r):=\sum_{n=1}^{\infty}\dfrac{2n}{(n^2+r^2)^2},\ r>0.\]
この級数は後にMathieu級数と名付けられた.彼はこの級数に対して,\[S(r)<1/r^2,r>0\]という不等式が成り立つと予想したが,証明することは出来なかった.その後,1952年にこの不等式は証明され,現在に至るまで\(S(r)\)に関する多くの不等式の研究がされている.
本講演では,\(r\to0+\)のとき\(S(r)\to2\zeta(3)\)となることに着目し,次の形の不等式を考える:
\[S(r)<\dfrac{2\zeta(3)}{br^2+1},r\in(0,\tfrac{1}{2}].\]
ここで,\(b\)は正の定数であり,\(\zeta(s):=\sum_{n=1}^{\infty}1/n^s,s>1\)はRiemannのゼータ函数である.
次が主結果である.
Theorem \(b>0\)を定数とする.このとき,不等式 \[S(r)<\dfrac{2\zeta(3)}{br^2+1},\ r\in(0,\tfrac{1}{2}]\] が成り立つための必要十分条件は\(b\leq2\zeta(5)/\zeta(3)\)である.
従って,\(b\)の最良定数は\(2\zeta(5)/\zeta(3)=1.72525\cdots\)である.
本講演は,藤田 安啓氏との共同研究に基づく.
問い合わせ先:富山大学理学部数学教室 (川部・幸山)