教員と研究テーマ

山本 将之 講師

栽培植物の有用形質制御遺伝子の解析

栽培植物(主としてゴマ)の有用形質制御に関わる遺伝子の同定や栽培植物の進化の解明を目指して研究を行なっています。

富山大学では様々なゴマ系統(ゴマ遺伝資源)を保存しています。山本研究室では,「栽培植物の有用形質の制御に関わる遺伝子の解明」や「栽培植物の進化」を研究目標として,主としてゴマ(栽培ゴマ)の有用形質制御遺伝子の同定・解析やゴマ属植物の進化の解明を試みています。

  • 保存ゴマ系統の栽培
  • 保存ゴマ系統の多様な花色
ゴマリグナンの生合成や蓄積に関わる遺伝子の同定・解析

 セサミン,セサモリン,セサミノールに代表されるゴマの種子に含まれるリグナンは健康機能性成分として注目されています。また,近年,ゴマリグナンの生合成経路の解明も進んでいます(左図)。当研究室では,ゴマリグナン生合成経路全容の解明を目指して,未同定の生合成遺伝子の単離を試みています。他にもゴマリグナン含量を決定する遺伝子の同定を行っています。

その他のゴマ有用形質制御遺伝子の同定・解析

リグナン関連形質の他にも,以下の収量関連形質や種子色形質など,様々なゴマ有用形質を制御する遺伝子の同定や形質の発現機構の解明に取り組んでいます。

  • サク果数形質:ゴマの果実はサク果(蒴果)と呼ばれます。多くの栽培ゴマは葉の付け根に1つの花/サク果をつける1サク果性を示し,花/サク果の脇には花外蜜腺が観察されます。系統によってはこの花外蜜腺が花へと変化した3サク果性のものも良く見られます。
  • 心皮数形質:一般的な栽培ゴマは2枚の心皮からなる雌しべをつけます(2心皮性系統)。栽培ゴマの中には4枚の心皮からなる雌しべをつけるものがあります(4心皮性系統)。2心皮性の系統では受粉後に種子の入る部屋が4つあるサク果をつけます。一方で,4心皮性の系統ではこの部屋の数が倍になります。
  • 分枝型形質:系統によって,枝分かれした茎を持つ分枝性のものや,分枝のみられない非分枝性のものがあります。
  • 種皮色形質:一般に食用で良く用いられる黒色,白色,金色の種皮色をもつ系統に加え,茶色や中間色など様々な色を示す系統が存在します。
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