高活性な分子の光化学的性質を解き明かす!
皆さん、“化学反応”という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?高校で習う教科書的な説明は「1種またはそれ以上の物質が、それ自身あるいは相互に原子の組換えを行ない、もとと異なる物質を生成する変化」です。こう書くと何だか難しく聞こえますが、私たちの身の回りに化学反応はあふれています。その中でも最も簡単な反応の一つが、分子が電子を出したり受け取ったりする酸化還元反応です。酸素と水があると鉄が錆びる現象がその例ですね。この時鉄は酸素に電子を奪われてイオンの状態になります。つまり、同じ鉄なのに持っている電子の数によって金属だったり、イオンだったりするわけです。図1にルテニウム(Ru)のトリス(2,2’-ビピリジン)錯体というよく知られた錯体分子の酸化(右向き)と還元(左向き)による変化を示します。
Read More