教員と研究テーマ

若杉 達也 教授

研究分野植物分子生物学 : 植物の形づくりと植物間のコミュニケーションを探る

寄生植物ネナシカズラを利用して植物の器官形成や植物間の情報伝達の研究を行なっています。

  • 吸水後8日目のネナシカズラの芽生え
  • エンドウに寄生してから7日後のネナシカズラ芽生え
  • 野外で繁茂しているネナシカズラ

 寄生植物ネナシカズラは、花は咲きますが、根は発芽後に速やかに枯れて、葉も形成されません。ネナシカズラは一般的な植物に存在する葉や根を持ちませんが、寄生根という寄生植物に特有な器官を形成し、寄生根によって寄生した宿主植物から養分や水分を吸収しています。私たちは、このような一般の植物とは異なった形態がどのようにしてできるかを、形づくりに関わる遺伝子の研究を通して調べています。

寄生植物ネナシカズラは、寄生根を通して養分や水分を吸収しています。赤インクを吸わせたエンドウに寄生させると、エンドウからネナシカズラへ赤インクが移動していることがわかります。ネナシカズラと宿主植物の間では、水分や養分だけではなく、いろいろな情報がやり取りされていることがわかってきています。そういった情報は、宿主からネナシカズラへ一方的に吸収されているのではなく、ネナシカズラから宿主への伝わっているものがあることもわかっています。私たちは、ネナシカズラと宿主植物の間でどのような情報がやり取りされているかを、生理応答や遺伝子を調べることによって明らかにしていきたいと考えています。 

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