教員と研究テーマ

柘植 清志 教授

錯体化学

発光性を示す錯体、および、ニトリド配位子を持つ錯体の合成とその性質の解明を行っています。

研究について

 金属錯体は、金属中心と配位子を組み合わせた化合物であり、構成要素の選択により多様な機能、構造を有する化合物の合成が可能である。我々は、錯体の持つ性質のうち発光性に注目し、新規の発光性錯体の開拓を行っている。銅(I)および銀(I)イオンを用いて可視域に強い発光帯を持つ錯体を合成し、合成的な見地から発光性錯体の設計指針についての検討を行っている。特に、架橋配位子を用いることにより、銅(I)および銀(I)発光性配位高分子を合成し、混晶化を利用して混合型の錯体を合成し、その発光性、エネルギー移動についても研究を行っている。

 また、ニトリド配位子を持つ新規の錯体合成も行っている。ニトリド配位子は窒素固定に関係した配位子であると同時に、ー3の電荷をもつ単原子配位子という特徴を持つが合成例がまだ少ない。6族金属元素であるクロムを中心金属としたクロム(V)ニトリド錯体を種々の配位子を用いて合成し、その物性・反応性の解明を行っている。特に最近はカテコール系配位子を持つ錯体を合成し、その酸素化反応について研究を進めている。

研究風景&メッセージ

 錯体化学研究室では、新規錯体の合成を中心に研究を進めています。誰も手にしたことのない化合物を合成し、その物性や反応性を解明することにより、新しい化学の領域を開拓しています。科学の進展により色々な事が解明されてしまったように見えますが、実際に化合物と向き合うと出来ない事、分かっていないことが沢山あることに気が付きます。合成を武器に未開拓の分野を切り拓きましょう。

TOP