西 弘泰 講師

西 弘泰 講師

ナノ材料化学、電気化学、光電気化学

ナノメートルサイズの微粒子・微細構造の作製方法や、それらの電気化学的・光電気化学的特性に関する研究を行っています。

金ナノ粒子の電子顕微鏡像
ナノ材料の不思議

「金(Gold)」と聞くと、金メダルや金塊のように、光を反射する金色の物質が思い浮かびます。しかしながら、不思議なことに、ナノメートルサイズの金の微粒子(金ナノ粒子)は金色ではなく赤色に見えます。これは、金がナノ粒子化することで、色素のように特定の波長の光(可視光)を吸収できるようになったためです。ナノ粒子のサイズや形状を変えると、赤以外の色も出すことができます。

このように、ナノメートルサイズの物質(ナノ材料)の光学特性は、私たちが普段目にサイズのものとは大きく異なっており、その特徴を活かして様々な研究が展開されています。例えば上記金ナノ粒子の場合、吸収された光エネルギーを化学反応に利用したり、熱や電気エネルギーに変換することが可能です。

  • 銀ナノ粒子分散液の色 
  • 銀ナノ粒子分散液の透過色と散乱色
  • 半導体ナノ粒子からの発光
ナノ粒子を合成する様子
ナノ材料をどうやって作るか?

ナノ材料に共通する特徴として、その特性がサイズや形状、構造に強く依存することが挙げられます。そのため、これらを制御した上でナノ材料を作製する「方法」が非常に重要です。私たちは、「化学と光の力で思い通りのナノ構造を創り、その機能を引き出す」を合言葉に、化学反応、電気化学反応、光電気化学反応を駆使した新しいナノ材料の作製方法と、作製した材料の光機能を研究しています。

例えば、金属ナノ粒子の特定の部位だけで光酸化析出反応を駆動し、ナノ粒子を微細加工することに成功しています。また、電極に直線偏光を照射するだけで、ナノ周期構造を作製することも可能になっています。このような作製方法を開発し、機構を理解するためには、ナノ材料に関する知識はもちろん、化学や物理などの素養も非常に重要です。

  • 金ナノ粒子の上部のみに光酸化析出物
  • 下部のみに光酸化析出物
  • 直線偏光照射で作製したナノ周期構造
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