教員と研究テーマ

井川 善也 教授

核酸生化学、生物有機化学、合成生物学

核酸高分子RNAが高度な生体機能を発現する分子機構の解明と、その機構を設計指針とした新規なRNAの構造と機能の人工創製に関して研究を行っています。

研究について

 RNAはDNAのように遺伝情報を保持・伝達できる情報分子であると同時に、蛋白質のように複雑な立体構造を作り高度な能力も発揮できる多機能な分子です。RNAは化学と生命科学のどちらの分野でも、とても面白い研究対象ですが、私の研究グループでは、RNAが高度な機能を発揮する仕組みを解明する研究(基礎研究)を中心に、バイオテクノロジーやナノテクノロジーでRNAを利用するための土台作り(応用研究の基礎)を目的とした研究も行っています。最近は、複数のRNA構造を集積させて一つの分子にはない新しい機能を発揮させる試み(ヘモグロビンをヒントにした研究)、光るRNA分子の開発と改良(GFP蛍光タンパク質をヒントにした研究)などの研究を行っています。

教員からのメッセージ

化学はしばしば「セントラル・サイエンス」と呼ばれます。物理学と隣り合う研究から生物科学と重なる研究までが化学の領域です。純粋に知的な興味に基づいた基礎学問の研究から、エネルギーや環境問題など、社会や生活に密接に関わる研究までの幅がある点も化学の特色です。これら2つの幅広さを「縦軸・横軸」とすれば、化学はその原点に位置する点でも、「セントラル・サイエンス」に相応しい学問分野でしょう。

生命科学が進展するにつれ、複雑な生命現象や生命活動もさまざまな分子とその連携的な動きで理解・説明できる時代になりました。例えば、21世紀に入った頃から生命科学の重要な発見にはノーベル化学賞が授与され、その結果、近年のノーベル化学賞の受賞研究の半数以上を生命科学のトピックが占めるようになっています。生命科学の研究に興味のある人は、ぜひ化学にも興味を持ってください。

研究紹介動画

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