教員と研究テーマ

横畑 泰志 教授
哺乳類学、寄生蠕虫学、保全生物学
野生動物(モグラ類など)と、その体内に見られる寄生虫の生態や保全の研究をしています。

(右)富山市郊外で捕獲したアズマモグラMogera imaizumii



(1)食虫類を中心とする野生哺乳類の形態学、生態学、行動学:
近年はモグラ類の採餌行動と頭骨形態の関連、飼育下での人工坑道利用の種間差などに関する生態学的研究を行っている。
(2)野生動物に寄生する蠕虫類の形態分類学、群集生態学:
近年は、哺乳類の寄生蠕虫類の研究を行っており、外来リス類の寄生蠕虫感染状況の分析に力を入れている。
(3)上記に基づく自然環境、野生動物の保護・保全のための研究・活動:
近年は、尖閣諸島魚釣島の野生化ヤギ問題や福島県産モグラに対する放射性物質の影響に関する活動、新潟県産希少モグラ類の分布状況の把握に力を入れている。
研究紹介動画
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「モグラのミミズ摂食行動」(氷見光一氏撮影)
モグラ(動画はアズマモグラ)がミミズをトンネルの中で捉えて食べるときは、まず尾の部分を自切して他の部分に逃げられるのを防ぐために頭の部分から食べ始めます。次に頭から尾に向けてミミズの体を強くしごきながら食べ、腸管内の泥を後方に押しやって口に入るのを防ぎます。泥をミミズの肛門から出すのは難しいようで、途中で一度ミミズを放して尾の部分を探し(動画では少し時間がかかっています)、今度は尾の部分から前方へ向かってしごきながら食べるので、体内の泥はほとんどすべてミミズの断端から押し出されてしまいます。このように泥が口に入らないようにして食べていても、モグラを解剖すると胃の中からは多くの泥が出てくるので、非常に数多くのミミズを食べていることがわかります。
研究トピックス
横畑 泰志 教授