教員と研究テーマ

古川 賢 助教
偏微分方程式論・応用数学
流体力学に関連する偏微分方程式の性質を調べる研究をしています。
偏微分方程式は関数やベクトル場の微分を含む関数方程式です.
物質の拡散現象や流体運動は偏微分方程式で説明ができ,具体例として,熱方程式やナヴィエ・ストークス方程式が挙げられます.これらの方程式に対して解が存在するかどうかを調べる研究や解の性質を調べる研究をしています.最近ではモデリングや計算機を用いた応用研究にも手を広げています.近年活発なデータサイエンス分野に関連する数学的な観点からの研究も行っています.

濾過現象の数理
汚れた水をきれいにするといった濾過現象を理解するために,偏微分方程式系から成る空間1次元モデルを提案しました.モデルは移流拡散方程式と被食者捕食者モデルから成ります.少し変わった境界条件を採用しています.モデルの解の一意存在性を証明するほか,数理物理的妥当性も検証しました.図は右端から吸い込まれた水が濾過されて左端から出てくる時間変化を表しています.