電波物理学研究室(4研)への配属・進学をお考えのみなさんへ

電波物理学研究室(4研)では、マイクロ波やレーザーなどの電磁波を用いた分子の研究を行っています。 星の誕生に伴う分子の形成過程の解明、放射性物質のモニタリングのための実用データの測定、 ミリケルビンという超低温の分子気体の生成のための超伝導分子減速器の開発など 、電磁波と分子の相互作用を駆使した第一線の研究を行っています。 電波天文学・分子分光・原子分子物理学などに興味のある方や、自分で新たな実験装置を開発する経験を積んで今後のキャリアに活かしていきたい方、 4研で研究してみませんか?他大学の方ももちろん大歓迎です。

4研では、研究を重視するとともに、満足できる進路(大学院進学・就職)に所属学生が進むことも重視しています。 そのために就職活動や大学院受験勉強のための時間を尊重し、進路決定後には研究に専念して次の進路に役立つような様々な技能・経験を修得してもらっています。 修士過程の人はティーチングアシスタントなどのアルバイトの機会もあります。

まずは見学をしてみてください。歓迎します。(見学は連絡先にコンタクトするか、授業の終わりにでも声をかけてください)

研究内容については、研究紹介にもありますが、下にも書きます。

研究分野と担当教員

  • 星間分子のマイクロ波分光・トリチウム水の近赤外分光など分子分光は主に小林が指導しています
  • マイクロ波を用いた低温極性分子ビームの集束・減速・捕捉は主に榎本が指導しています
星間分子のマイクロ波分光(担当:小林)

星と星の間の希薄な空間(星間空間)にある分子を星間分子といいます。 宇宙空間には比較的高密度な星間ガスが存在する星間雲と呼ばれる領域があり、 そこから放射される電磁波にはその星間ガスの放射スペクトルが現れます。 そのスペクトルに含まれる無数の共鳴線のうち、その放射源となる分子の同定がなされていないものが多数存在します。

当研究室ではマイクロ波・ミリ波領域(数GHz~数百GHz)において、そのような星間分子の実験室分光を行い、 星間雲からの放射の共鳴線の同定に役立てています。 中でも有機分子に着目した研究を行っています。 特にメタノールやギ酸メチルのような星間空間に大量にある有機分子は、観測される遷移の数が多く、未同定線の中に多く含まれていると考えられるためです。 近年の観測の感度向上により、今までは見えなかった遷移も今後、観測されることが強く期待されています。

実験室のデータはToyama Microwave Atlasというデータベースとして公開しています。 このようなデータベースはアメリカ、ジェット推進研究所やドイツ、ケルン大学にもあります。 今後、プラットフォームの共通化など連携して、データベースをより一層使いやすくしていく予定です。 しかし、いずれのデータベースも分子量が100程度で、データがほとんどなくなります。 実験・解析が難しくなることが1つの理由です。 今後は、このような重い分子の測定がしやすい分光計の開発を進める予定です。

国立天文台野辺山45 m電波望遠鏡による観測や、南米チリにある大型電波望遠鏡ALMAのデータへの応用なども行っています。 国立天文台との共同研究で45 m電波望遠鏡のデータを解析した結果はプレスリリースされています。 詳しくはこちら

平成22年春のトムズプレス12号での研究紹介はこちら(13ページの研究者紹介の記事です)

トリチウム水の近赤外分光(担当:小林)

トリチウム(三重水素)は質量数が3の水素の放射性同位体です。 自然界に発生したトリチウムは速やかに水に取り込まれてトリチウム水になるといわれています。 トリチウム水はトリチウムよりも1万倍人体への影響が大きいといわれています。 このような放射性物質の検出には強い関心がもたれています。 放射性を活かした検出手法以外の検出手法も持つことは非常に重要です。 当研究室では、そのひとつとして近赤外分光法による検出を行うために、 基礎データを収集し、さらにトリチウム水の化学反応の解明を進めようとしています。 富山大学にはトリチウムを扱うことのできる水素同位体科学研究センターがあります。 センターの先生方と連携して、管理区域で慎重に実験を行っています。 放射性物質を利用しますので、教育訓練・健康診断などを欠かさず行っています。

マイクロ波を用いた低温極性分子ビームの集束・減速・捕捉(担当:榎本)

レーザー冷却技術の確立により、現在では希薄原子気体を真空中にトラップし、 ナノケルビン以下の極低温まで冷却することが可能になり、 超流動状態の研究や高精度原子時計の開発が行われてきました。 しかし、分子についてはレーザー冷却技術を適用することが困難であり、 分子を用いて同様の研究を行うためには、別の技術を開発しなければなりません。

当研究室では、超伝導空洞共振器などで増強したマイクロ波を用いて、 分子ビームを集束・減速する研究や、真空中に捕捉する研究を行っています。 例えば、共振器中のマイクロ波の定在波を時間的に変化させることで、 共振器中の分子が感じるポテンシャルを操作し、分子を減速することが可能です。

我々の手法は従来の静電場を用いる手法に比べ、回転基底状態などの、 電場が強い所ほどエネルギーが低くなる状態の制御に優れています。 このような低温分子ビームの並進運動の制御方法は、分子を用いた精密測定による、 素粒子論的・宇宙論的効果の検証を行うための基盤技術になります。 研究内容を詳しく知りたい方は、タイトルをクリックしてください。

卒業生・修了生の進路

2004年度以降の卒業生・修了生の進路の一部をご紹介します。ほとんどの方が学部・修士課程後に就職しています。教員志望の方もいます。

学部
就職
リクルートR&Dスタッフィング、森永乳業、イエローハット、岩谷産業、 イーネットソリューションズ、三井住友カード、富士古河E&C、 東海旅客鉄道、大洋薬品工業、ダッド、自衛隊、都築電気、アンリツ産機システム株式会社、 ダイテック、立山科学グループ、夢テクノロジー、樫山工業、教員・講師:4
進学
富山大理工学(理学):13  富山大教育研究科:1  東北大:1  金沢大:1
修士
就職
東芝、肥田電器、日新イオン機器、コーセル、東海精機、ミズノマシナリー、日本分光、アンリツ、アルバック、 キヤノンファインテック、ダイヤテックス、教員・講師:2
進学
富山大学大学院:1

年間スケジュール

年によって変更がありますので、おおよそのスケジュールです。

年間スケジュール
3月配属決定下旬に発表されます
3月学会参加物理学会を始めとした学会に参加します
4月研究開始指導教員と研究テーマを決めます
5月ソフトボール大会学科長杯
7月大学院自己推薦入試
8月大学院一般入試
9月学会参加物理学会を始めとした学会に参加します
11月下旬物理学会北陸支部参加福井、石川、富山でまわりもちです
2013年は富山大学で行われます
12月大学院一般入試2次募集行われない年もあります
2月卒論発表会・修論発表会研究のクライマックスです

研究テーマによっていろいろな学会に参加しますので、時期は異なることもあります。 学会準備は大変ですが、他の大学の人と交流もできますし、勉強になります。違う土地を訪れるのも楽しみです。

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