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卒業生のメッセージ

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昭和60年数学科卒業

高島 由順

富山県内の高等学校教員

ゼミ活動が教えてくれたもの

 私は現在、富山県内の高等学校に教員として勤務しています。
 ICT化やグローバル化といった大きな潮流の中、高等学校の教育現場も時代の要請を受けて迅速な対応が迫られています。そんな状況のもと、改めてクローズアップされているのが、アクティブ・ラーニング等の学習活動による生徒自身の探究力の向上です。主体的な学習活動によって身に付いた本物の学力こそが、これからの複雑で高度な社会を生き抜く力として生徒自身を支えることになるからです。

 さて、数学科でもっとも数学科らしい活動といえば、ゼミが挙げられるでしょう。私も当時、毎週のゼミの時間には十分な時間をかけて臨みましたが、指導教官のK先生からはいつも厳しくかつ示唆に富んだ指摘があり、毎回が緊張の連続でした。そこで自分の理解の不十分さを再認識するとともに、理解できなかった内容を自分の言葉できちんと説明できるようになることこそが本当の理解に繋がるのだということを身をもって実感できました。これが今の教員としての自分を支えてくれる一番の財産です。時代の要請に応える本質的な方法の一つとして、ゼミ活動という数学科では当たり前の手法こそが、実はアクティブ・ラーニングの本質という気がするのです。

 日々の授業でも、問題演習をただ解くためのテクニックの解説の場としてだけでなく、その問題の背景にある本質や発展性まで含めて、生徒が自分の言葉で理解できるようになることを目指す取り組みが重要です。加えて、深い理解に基づいて自分で問題の本質を把握し解決に結びつけていこうとする個々の生徒自身の探究力の育成を図ることがますます必要とされています。時間や空間の制約もあり、なかなか大学のゼミ活動のようにはいきませんが、自分が一人ひとりの生徒の指導教官になったつもりできめ細かな指導ができるよう、これからも日々励んでいきたいと思っています。

(2016年3月寄稿)