研究内容 | 富山大学大学院 理工学研究部(理学) / 理学部 生物圏環境科学科 生物圏機能III講座

研究内容

われわれの研究を支えてくれる生物は、微生物と海洋生物です。そして、目指す研究は、これらの生物を用いた環境保全方法を見出すことです。

微生物によるバイオモニタリング

近年、生物多様性が関心を持たれていますが、そのほとんどは肉眼で見える生物が対象となっています。われわれは、肉眼で見えない微生物の多様性を探っていきたいと思っています。現段階では、富山県下を中心とした、富山湾海水中から上空の大気中までに存在する微生物を全て、それらの遺伝子(DNA)で捉えることを試みています。たとえば、富山湾の海水を採取し、その中に存在している全生物の遺伝子を抽出し、それをもとにして微生物(真正細菌、古細菌、真核生物)の遺伝子のみを増幅し、それらをバーコード状に並べて、微生物の構成種とそれらの個体密度(群集構造)の比較をすることができるPCR-DGGE法を用いています。この方法で、富山湾の表層水中や深層水中、富山県下の五大河川水中や地下水中、温泉水中、大気中、富山県下に飛来した黄砂中(立山積雪層中や大学屋上)などの微生物を捉え、その群集構造の変化を調べたいと思っています。そして、このようにして、各環境中の微生物の群集構造を日常的に把握しておき、環境の変動が起こった場合、どのように変化していくのかを調べていきたいと思っています。言い換えれば、微生物の群集構造の変化から環境の変化を捉えられればと思っています。

微生物によるバイレメディエーション、バイオマス活用

一方、このような多様な微生物の中から、環境汚染を浄化したり、廃棄物を再活用したりするために有用な微生物種を探し、その活用方法を考えることも行っています。目的としている菌は、石油分解菌、余剰汚泥分解菌、廃食用油分解菌、セルロース分解菌、そして海藻分解菌などです。汚染の浄化だけでなく廃棄物をバイオマス燃料や機能性物質の産生につなげて行きたいと思っています。

海洋無脊椎動物によるバイオモニタリング

海洋生物としては、微生物類に加えて、ウニ、イガイ、イワガキ、ナマコなどの無脊椎動物を用いた研究を行っています。最近、イガイ類の軟体部が、粘度の高い重油を、乳化(細粒化)したり分解したりすることができる成分を含んでいることを見つけました。そこで、この成分がどのような物質かを明らかにし、実際の石油汚染現場で活用できる方法を開発したいと思っています。

研究方法・技術

微生物の培養方法

遺伝子の実験方法(DNAの抽出、増幅(PCR)、PCR-DGGE、塩基配列の解読、クローニングなど)

タンパク質の実験方法
(タンパク質の精製、ゲル電気泳動(SDS-PAGE、二次元、ウエスタンブロッティングなど)

観察方法(位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡、蛍光顕微鏡、透過型電子顕微鏡、蛍光抗体法、免疫電顕など)、海洋生物の受精、発生、飼育方法

※ 2013年度以前の研究室メンバーの研究テーマ

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