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  富山大学 > 理学部・大学院理工学教育部理学領域 > トピックス > 2007年1月
トピックス
スクッテルダイト化合物Pr(Ru1-xFex)4Sb12の単結晶を作る (物理学科)
SkutterditeCrystal
図1: スクッテルダイト化合物の単結晶。ルテニウムと鉄の混合比を様々に変えた単結晶を作っています 。

Laue
図2: スクッテルダイト化合物結晶のX線回折写真(ラウエ写真)。
スクッテルダイトとは?
「スクッテルダイト」化合物は、1845年にノルウェーのSkutterud地方で発見された鉱石CoAs3と同じさいころ型(立方晶)の結晶構造を持つ一連の化合物です。その1つPr(Ru1-xFex)4Sb12ではルテニウムRuを鉄Feで少しずつ置き換えると、電気的、磁気的、熱的に、様々な変化に富んだ物理特性を示します。最近、同様のプラセオジムPr系スクッテルダイト化合物で、これまで見られなかった新しいタイプの秩序状態や超伝導状態を示すものが発見され、注目されています。

スクッテルダイト化合物の単結晶を作成するには?
融点の低い大量のSb融液の中にPr、Ru、Feを混ぜて980℃からゆっくり温度を下げると図1の写真のような金属光沢の見られるきれいな単結晶がこのままの形で得られます。温度の微妙な下げ加減が良い単結晶を得るための重要なポイントになります。 図2の写真はx=0の試料の「ラウエ写真」です。結晶にX線を照射すると、結晶構造によって決まった方向にX線は回折されてフィルムを感光させ,単結晶の時にのみ、その様子が規則正しい斑点群として現れます。ラウエ写真は単結晶の対称性を調べたり、単結晶の方位を見出したりするのに利用されます。
 このPr(Ru1-xFex)4Sb12系は、x=0(Ru100%)の試料では、約−272℃以下の極低温で電気抵抗が零の超伝導体になります。超伝導体は磁石に反発する完全反磁性体です。一方、x=1(Fe100%)の試料は、約−268℃以下で、磁石に引きつけられる強磁性体になります。そんな二つの性質が混在したこの系に対し,様々な物理特性を調べ,そのメカニズムを電子レベルで考えています。(大学院理工学研究科修士2年 島倉梨恵さん談 磁気・低温物理学研究室
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Last modified 2006.12.28
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