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  富山大学 > 理学部・大学院理工学教育部理学領域 > トピックス > 2006年6月
トピックス
白亜紀の温室地球(地球科学科)
Radio Telescope
 
Radio Telescope
現在、地球温暖化が非常に大きな問題となっています。恐竜の時代として有名な白亜紀(1億4500万年前〜6500万年前)は現在よりも遥かに温暖で、まさに自然が起こした温暖化による「温室地球」とでも言うべきものでした。地球の気候は大局的には白亜紀から現在に向けて徐々に寒冷化してきたということができるのです。白亜紀中期には温暖な気候の他にも、激しい火成活動による巨大火成区(LIPs: Large Igneous Provinces)の形成や地磁気の逆転が長期間起こらなかった(白亜紀スーパークロン)など、他の地質時代には見られない様々な大異変が全地球的に同時に起こっており、その根本的な原因としてマントルプルームの活動が挙げられています。

白亜紀の地球システムを表層環境から地球内部の活動まで統一的に理解しようとする研究プロジェクトが、海洋研究開発機構、イタリアのウルビノ大学、富山大学の合同チームで進められています。写真は調査地域であるイタリア・グッビオの白亜紀石灰岩層です。下の写真を見ると、白い石灰岩層に灰色〜褐色の地層が挟まれているのが分かりますが、これは「黒色頁岩」という有機物に富んだ地層です。白亜紀の黒色頁岩は世界中に広く分布し、私たちの生活に欠かせない石油の母岩となっています。この地層が堆積したイベントは「海洋無酸素事変(OAE: Oceanic Anoxic Event)」と呼ばれています。海洋中の溶存酸素が枯渇して有機物の分解速度が遅くなったことが直接的な原因と考えられていますが、詳しい形成プロセスは未だわかっていません。
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Last modified 2006.07.31
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