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能登半島地震と中越沖地震が突きつけた問題 (地球科学科)
2007年3月25日午前9時42分に発生した能登半島地震は、規模を示すマグニチュードMが6.9で、震源は石川県志賀町関野 鼻沿岸の海底で深さ11kmであった。この地震の余震活動が治まりかけてきた7月16日10時13分、M6.8の新潟県中越沖地震 が発生した。震源は柏崎市椎谷鼻沿岸の海底で深さ15kmである。これらの地震は、日本海側で発生する大地震の発生様 式について、今まで見落とされていた日本海沿岸の地震発生帯に目を向けさせるものとなった。

2つの地震はともに最大震度6強を含む震源地付近に原子力発電所があり、皮肉にも地震関係の研究者・技術者の虚をつ くような場所に発生している。地球科学的に見ても、震源メカニズムと呼ばれる地震発生のしくみも、ともに上部地殻 の逆断層であった。それぞれの個性もあるが、アムールプレートの東縁とされる日本海の本州側で発生した海域の地震 であり、日本列島と日本海の生い立ちに遡る共通点がある。この地帯では、1940年積丹半島沖地震、1964年新潟地震、 1983年日本海中部地震、1993年北海道南西沖地震と、20世紀になって立て続けに発生したM7.5〜7.8の巨大地震との関連 が何よりも問題となる。

これら巨大地震のメカニズムは厚さ30km程度の地殻を断ち切るような逆断層であり、プレート境界地震の性格をもつ。 この地震帯では1933年以降、地震の活動期とされ、日本海沿岸の巨大地震発生帯の空白域周辺に「ひとまわり小さく、 より浅い地震」が発生しているように見え、2004年新潟県中越地震(M6.8)もその仲間である。中越沖地震の最大余震 (M5.8)は深さ20kmであり、内陸直下型地震よりも有意に深い。同じアムールプレートの南海地震・東南海地震との連 動など今後一層注視していかねばならない課題がこれらの地震から突きつけられている。

(地球科学科 竹内 章)

富山トラフ周辺で近年発生したひとまわり小さい地震
富山トラフ周辺で近年発生したひとまわり小さい地震(★印)
能登半島地震最大の斜面崩壊
能登半島地震最大の斜面崩壊
(石川県輪島市門前町深見)



被災地柏崎市中心部
被災地柏崎市中心部
(遠景に柏崎刈羽原発が見える)



原子力災害にも備えた立派な避難所
原子力災害にも備えた立派な避難所

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Last modified 2006.07.31
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