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富山大学名誉教授 髙木光司郎先生の寄稿

【物理学科】

平成27年11月8日

瑞宝中授章の受章について

 

  富山大学名誉教授

高木光司郎

 

高木光司郎先生

 

 この受賞について、まわりの方々や思いがけない昔の学生や知人の方々から祝詞を頂き、とても嬉しく、また有り難く思っています。改めて叙勲の重みを感じています。

 私自身の現況報告ですが、今、小林かおり先生の実験室で常川名誉教授と小林先生と共同で「メタノール分子のマイクロ波ゼーマン効果」の研究をしています。

 星間雲に多量に存在するメタノール分子のマイクロ波スペクトルは、ずっと昔から電波望遠鏡で観測されていて、特にいくつかの遷移ではメーザーとして鋭いスペクトルが観測 されています。数年前から天文学会誌でこのメーザースペクトルの偏光観測からゼーマン効果を検出し宇宙磁場を求めたという報告が出る様になりました。宇宙磁場の値を出すた めには、実験室でのメタノール分子のゼーマン効果の測定が必要ですが、これが1951年の予備的(プレリミナリー)な測定を報じた論文が1つあるだけです。しかもメーザー遷移 とは無関係な遷移についての測定です。天文の人々も実験室での信用できるゼーマン効果の測定の必要性を論じています。

 私は長い間、メタノール分子のマイクロ波スペクトルの分光研究をしてきました。又、1968年には(富山大学に来て4年目)、ケテンという分子のマイクロ波スペクトルのゼー マン効果の研究を発表しています。“メタノール分子”と“ゼーマン効果”ということになると「私の出番」だと思い、昨年からこの実験を始めました。測定はメタノール分子に磁場 をかけてマイクロ波スペクトルを検出することです。磁場としては、ネオジムの強い永久磁石が利用できます。これを用いて7000ガウス(0.7テスラ)の一様な磁場を作ることが できる様になり、メタノール分子のゼーマン効果をはっきりと観測できる様になりました。今、データを盛んにとって解析している所です。何とかしてメタノール分子のゼーマン 効果の全容をとらえ、任意の遷移についてゼーマン効果の大きさを計算できるようにしたい、「日暮れて途遠し」にならない様に、と頑張っている所です。