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ゲーム理論における均衡選択の問題 −進行波を用いたアプローチ−

【数学科】2011年12月

 ナッシュ均衡は,ゲームに参加している各プレイヤーが,他のプレイヤーの戦略を所与として,自分の利得が最大となる戦略をとっている状態である.ゲーム理論において,ナッシュ均衡の概念は解概念として重要な役割を果たしてきたが,複数のナッシュ均衡が存在する場合,プレイヤーはどのナッシュ均衡をプレイすべきか?という問題に直面する.例として右のゲームを考えよう.プレイヤー1は戦略A1B1をもち,プレイヤー2は戦略A2B2をもつ.可能な戦略の組合せは4通りあり,数字の組は,左の数字がプレイヤー1の利得を,右の数字がプレイヤー2の利得を表す.このゲームは2つの(強)ナッシュ均衡(A1,A2)と(B1,B2)をもつ.
 このような戦略数2の2人ゲームに対する均衡選択の重要な概念として,HarsanyiとSelten [2] の危険支配の概念がある.上のゲームの場合,b1b2a1a2のとき,均衡(B1,B2)は均衡(A1,A2)を危険支配するという.危険支配の概念は,2人のプレイヤーにとってどちらの均衡に従うのがよりリスクが少ないかを考えるために提示された.


 これに対して,Hofbauer [3] は進行波を用いたアプローチを提示した.これを説明するために,次の問題を考えよう.障壁によって二つに分けられた地域があり,一方の地域では均衡(A1,A2)が,もう一方の地域では均衡(B1,B2)が実現していると仮定する.今,この障壁が崩壊し,プレイヤーの戦略変更と移動が可能になると仮定する.このとき,どちらの均衡が生き残るだろうか?



※続きは、下記リンクのPDFよりご覧ください。
ゲーム理論における均衡選択の問題 −進行波を用いたアプローチ−(PDF 504KB)


(数学科 出口英生)