富山大学理学部生物学科 山崎研究室

ヤツメウナギの種判別

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 日本列島に生息するヤツメウナギ類として,カワヤツメ,シベリアヤツメ,スナヤツメ北方種,スナヤツメ南方種,そしてミツバヤツメが知られています.従来,これらの判別は形態的特徴に基づいて行われています.しかし,ヤツメウナギの形態的変異性は乏しいことから,しばしば種判別が困難になります.そのため山崎研究室では,遺伝的特徴に基づいた種判別法を開発しています.種判別における注意点については,次の文献にもまとめてあります.

山崎裕治. 2007. ヤツメウナギ類の生態学的研究における有効な調査方法. 富山の生物, 46: 9-14.

 以下には,いくつかの形質・方法について,判別の可能性や留意点をまとめます.

表の見方:
 同種同士の場合は,その形質・方法により種同定が可能であるか?
 異種間の場合は,その形質・方法により対象種間の種判別が可能であるか?
  を示しています.いずれも
個体レベルの同定・判別です.
記号:
 ○:可能,△:概ね可能,×:不可能,未:未確認,-:対象外.

筋節数
カワ
シベ
スナ北
スナ南
ミツバ
カワヤツメ
×
×
×
シベリアヤツメ
×
×
スナヤツメ北方種
×
×
スナヤツメ南方種
×
ミツバヤツメ
×
尾部の黒色素
カワ
シベ
スナ北
スナ南
ミツバ
カワヤツメ
シベリアヤツメ
×
×
×
×
スナヤツメ北方種
×
×
×
スナヤツメ南方種
×
×
ミツバヤツメ
×
アロザイム
カワ
シベ
スナ北
スナ南
ミツバ
カワヤツメ
シベリアヤツメ
スナヤツメ北方種
スナヤツメ南方種
ミツバヤツメ
RAPD
カワ
シベ
スナ北
スナ南
ミツバ
カワヤツメ
シベリアヤツメ
スナヤツメ北方種
スナヤツメ南方種
ミツバヤツメ
mtDNA塩基配列
カワ
シベ
スナ北
スナ南
ミツバ
カワヤツメ
×
×
シベリアヤツメ
×
スナヤツメ北方種
スナヤツメ南方種
ミツバヤツメ
マイクロサテライト
カワ
シベ
スナ北
スナ南
ミツバ
カワヤツメ
シベリアヤツメ
スナヤツメ北方種
スナヤツメ南方種
ミツバヤツメ

留意点: 現在,山崎研究室では,アロザイム解析はできません.
      アロザイム解析のためには,個体が活魚あるいは凍結状態
      であることが必要です.

留意点: RAPD法による種同定・判別は,これまで限られた地域の個体のみを
      
対象に行われています.未知の地域変異等が考えられますので,
      この方法の活用には今後の予備実験が必要となります.

留意点: mtDNA解析では,種間交雑が起きていると結果が不明確になる場合が
      あります.ヤツメウナギの場合は,これまで種間交雑が報告されて
      いませんので,この問題はないものとして扱っています.

留意点: 一部の種(間)で有効性は確認されていますが,全体として開発途中
      の方法です.

確実な種同定・判別のためには,複数の方法を用いることが必要です.

ヤツメウナギ類の種判別でお困りの際は,山崎研究室までご相談ください.

  山崎研究室連絡先: yatsume(あ)sci.u-toyama.ac.jp
          メール送信の際は,(あ)を@に変更してください.

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